「ぼうぼうあたま」第4版 2006年8月発行
ハインリヒ・ホフマン 作、 伊藤 庸二 訳
五倫文庫
表紙のペーターはどう見ても身だしなみが悪いです。その他、いたずらやわがままな子、良くない癖のある子などが登場します。この本には、そんなことしてたらあんな大変なことになってしまうよ、という教訓が、面白おかしく、または恐ろしく大げさな表現で、わかりやすく図解してあります。おだやかで詩的な日本語訳は工夫が凝らされ楽しく読めます。
この本はドイツで1844年に初版が出版され、ヨーロッパすべての言語に訳されたそうです。日本では1936年に初版が発行されたそうです。私は、評判を知り図書館で「ぼうぼうあたま」を読んだ時、強烈に心に残る「まさか」の連続の教訓に、眉をひそめたり笑ったりしました。そしてひと目で心に残るとはいえ、何度も繰り返し読みたい、見たい衝動に駆られました。不思議な魅力を放つ「ぼうぼうあたま」が古くから愛されている訳は、一度手にした人には難なくわかると思います。
私が高校生の時の家庭科の先生が、「しつけ(躾)とは、身を美しくする、と書くのですよ」とおっしゃっていました。大人になり子供に躾をする立場になったとしても、ガミガミ説教するのは「身が美しく」ないですね。代わりに、親子で「ぼうぼうあたま」を読んでおいて、「ぼうぼうあたま」の話を引き合いに出すと丸くおさまります。強烈な教訓を思い出し、笑って「身を美しく」できてしまうのです。180年もの間、こうして世界中の家庭でこの本が活かされてきたのかな、なんて思います。
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