2025/07/30

「はじめてであう きょうりゅう」

「はじめてであう きょうりゅう」
バスチャン・コントレール 作、真鍋 真 訳
岩波書店 2025/7/22

恐竜を知り始める1、2歳くらい子ども向けの絵本です。かつて存在していた恐竜という生き物はどれくらいの大きさで、どんな暮らしをしていたのか、小さな子どもに想像しやすいように教えてくれます。ティラノサウルスの実物大の歯の絵もあります。ステンシルで描かれた優しい絵が美しく、感動しました。
表紙のシンプルなグラフィックは作者の作風のイメージ通りなのですが、そこからは中のページの世界観は想像つきませんでした。ネットで絵が紹介されている場所(下記)がありますので、見てみてください。

 ・作者のインスタ Bastien Contraire (@b.contraire) に掲載の恐竜はこの絵本の絵。
 ・岩波書店の公式サイトで2ページ分紹介されています。
 ・アマゾン Kindle の「サンプルを読む」で3ページ分紹介されています。

見てみると自由な色使いに気付きます。ステンシル技法の美しさに驚かされ、子どもを引き付ける色合いで仕上げた親しみやすさに感服しました。たちまち、作者バスチャン・コントレール氏のファンになってしまいました。

原書(フランス語版):
Dinosaures
by Bastien Contraire, LA PARTIE, 2021.

2025/07/28

「ぼく、だんごむし」

だんご虫の食べ物は?
だんご虫の外敵は?
もしもだんご虫が水の中に入ってしまったら?
その答えはこの絵本の中にあります。

「ぼく、だんごむし」 かがくのとも傑作集
得田之久 作、たかはしきよし 絵
福音館書店

身近で面白いだんご虫の知識がわかりやすく得られ、虫好きな子どもたちの好奇心を満たしてくれます。どの子もだんご虫博士になれそうです。
絵は美しく、見たい・知りたいところに集中させてくれて印象に残ります。ぜひ表紙を開いて眺めてみて欲しいと思います。

2025/07/26

「はちうえはぼくにまかせて」

夏休みに旅行に出かける近所の人たちから
鉢植えを預かることにしたトミー。
家の中は鉢植えでいっぱい。
植物はどんどん成長し、家の中はジャングルのように。

「はちうえはぼくにまかせて」
ジーン・ジオン 作、マーガレット・ブロイ・グレアム 絵
もり ひさし 訳
ペンギン社 1981
全国学校図書館協議会選定
厚生省中央児童福祉審議会推薦
大阪市中央図書館推薦

トミーは植物ひとつを1日2セントで預かります。このアイデアは、読む人に自分も何か仕事を作れるかも、と思わせる魅力を持っていますね。トミーは植物の世話の仕方を熱心に勉強し、楽しんで上手に世話をし、見事で拍手を送りたくなります。トミーの見事さと、植物であふれかえる室内の様子には圧倒されます。一方、お父さんとお母さんの反応が現実的なところには親しみを覚えます。世間が夏休みの間も忙しいお父さんは、植物だらけの家の中ではくつろげず しかめっ面をしています。話はどう展開していくのでしょう。 嬉しくなるハッピーエンドがいいですよ!
アメリカでは子供のお金の教育のひとつとして、何か商売を実践させてみる、というのがあります。バザーで子どもがジュースを売る、と言うアレがその一例です。トミーの商売は教育の一環ではなく自発的に行ったものですが、そのアイデアは秀逸ですね。

2025/07/24

「すいかのたね」

「すいかのたね」
押本達希 作
ブロンズ新社 2025/6/12

スイカの種が紙面にひそんでいるのを探す絵本です。
スイカを題材にした絵本はたくさんありますが、中でも最もスイカらしい表紙なのではないでしょうか。表紙にはインパクトがあり、種がひそむ場所の多様性がユニークですが、どこかを冒険して無事に戻るという絵本の王道を行く展開になっています。そうして丸く収まって絵本を閉じると、何事もなかったようなリアルなスイカの表紙にシュールな感じがします。見た目はスイカで、中身はファンタジーを秘めている意外な感じがおもしろいです。

2025/07/22

「もりのえほん」探しながら見る、文字のない絵本

「もりのえほん」
安野光雅 作
福音館書店 1981

表紙の森の美しさに引き込まれてページをめくっていくと、森の中を散歩している気分になります。森の中に立ち入ると感じる何かが出てきそうな雰囲気。その予感を裏切りません。草木の絵の中をよく見ると、生きものたちが隠れていますよ! 大人も子どもも夢中になります。 
最初のページで二人の子どもが森の中に入って行き、最後のページで森から出てくるように締めくくられています。でも、その絵をよく見ると何かに気付きます。読者に感じるままに想像させ楽しませてくれる、芸術作品のような絵本です。
文字のない絵本です。 

2025/07/20

表紙のカエルが、ページをめくるとピョーンと体を伸ばして跳びます。
次々にいろいろな生きもの達が跳びます。
みんな跳ぶのかな?
「ぴょーん」
松岡 達英 作
ポプラ社

ページは横にではなく縦にめくります。跳び上がった姿は見開き上下のページに伸び伸びと、愉快に描かれていて、赤ちゃんも興味深く見てくれる絵本だと思います。1、2歳になり、登場する生きもの達の動く姿がわかるようになると、もっともっと楽しめます。絵本への興味があまりない子どもも、「ぴょーん」ならば振り向いてくれそうですよ。丈夫で小さく持ち歩くのにも便利です。シンプル・イズ・ベストの楽しい本です。

2025/07/18

「ことばのくにのマジックショー」

「ことばのくにのマジックショー」
大友剛・マジック
中川ひろたか・ことば、  大庭明子・絵
アリス館

マジックの入門書にいかがでしょうか。9つのマジックを、詩とにぎやかな絵とともに楽しめる本です。もちろんタネあかしとアドバイス付きです。小学生が試したり鑑賞したりするのにちょうどよいかなと思います。実際私が小学生にやって見せたら、私が下手すぎてすぐにタネを見破られたもの、おおーっと驚かれたもの、不思議に思われたものなど、様々な反応でした。気軽にできるものも、簡単なタネを仕込むものも、練習のいるものもあります。

2025/07/16

「ちいさなあなたへ」

アリスン・マギー 作、 ピーター・H・レイノルズ 絵
なかがわ ちひろ 訳
主婦の友社  2008


この絵本では、子どもが母親を頼る姿、母親が成長を見守る様子、子の将来を案ずる母親の気持ちなどが、端的に素直に表現されています。共感して胸がいっぱいになる母親は多いと思います。まるで母親の子への気持ちを代弁するような絵本です。しかし、絵本が代弁する必要はないのでは?と思うので、「母親のため」の絵本なのだと私は思いました。
「母親のため」の絵本なのだと思う理由は他にもあります。
例えば、忙しくて子が見えなくなる時、思わず怒鳴ったり手を上げそうになって葛藤する時、この絵本の存在は、子を大切に思う気持ちを取り戻してと戒めてくれます。
また、この絵本の最後には母親への課題があります。大人になった娘や息子がいつか母親を思い出す時、どんな母親だったと思い出すのか、そして母親としてはどのように思い出して欲しいのか。母親としての生き方を考えさせられる場面があるのです。 
何と言うか、ノウハウは書かれていないけれども導いてくれる「育児書」のような、子どもと心から向き合う力をくれる絵本です。原題は Someday で、「いつか」を思い描いて、今を大切に生きるのを促されるような作品です。

原書:
"Someday"
by Alison McGhee (Author), by Peter H. Reynolds (Illustrator), 
Atheneum Books for Young Readers, 2007.

2025/07/14

「ガンピーさんのふなあそび」

ガンピーさんが舟に乗って出かけると、
子どもたちが、一緒に連れてってといいました。
「いいとも」とガンピーさんは言いました。
ウサギも猫も犬も、もっとたくさんの動物たちも、
乗りたいと言ってやってきました。
ガンピーさんは、みんなを乗せて出かけます。

 
ジョン・バーニンガム 作、光吉夏弥 訳
ほるぷ出版
ケイト・グリーナウェイ賞受賞


小舟に乗ると、心地良く揺れ、自然との一体感と浮世離れした感覚があり、それから、もしかして川に落っこちたりして・・・という不安もちょっぴりよぎります。そのように穏やかな、でも少しドキドキの気持ちで読める絵本です。舟がとんでもない状態になっても淡々と話が進んでいくのが楽しく、ガンピーさんの温かく広い心、慌てず落ち着いた行動に和まされます。ガンピーさんは、舟をこいで川を渡ることを愛しているのでしょう。読む人にもその楽しみを分けてくれます。 柔らかく優しい絵が、幸せな気分を盛り上げてくれます。ジョン・バーニンガム作品の中でもいちおしの素敵な絵本です。

2025/07/12

「ロバのおうじ」グリム童話

何よりも自分の財産が好きな王様と、 何よりもきれいな衣装が好きなおきさき様は、
とても幸せで広く平和な国を治めていました。
ただ、二人には子どもだけはどうしても欲しいのに授からず、
魔法使いの力を借りてようやく子どもを授かります。
しかし、王様が魔法使いをだましたため、
生まれてきた王子はロバの姿をしていました。
「ロバのおうじ」 グリム童話より
M.ジーン・クレイグ 再話、バーバラ・クーニー 絵
もきかずこ 訳
ほるぷ出版
全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協会選定図書
日本こどもの本研究会選定図書

ロバの王子は、生まれ育った城ではからかわれ相手にされません。つらい気持ちがチクチクと伝わってきます。一方、旅立って新たな暮らしを始めた城では、ロバの王子は認められて慕われます。こちらの城の人々は、治める王様と同じく良い物事を愛でることのできる人々ばかりです。そこでのロバの王子の満たされた気持ちが伝わってきます。幸せに包まれて話が終わり、読んでいて嬉しい気持ちになります。
絵がとても素敵で、ロバの王子とお姫様が特にかわいらしく、その穏やかで優しい雰囲気がハッピーエンドの嬉しさを盛り上げてくれます。

すべてひらがなとカタカナで書かれており、読みやすい文章です。
小学2、3年生くらいからの音読学習にもよいと思います。

《あらすじ》
ロバの王子は賢く、振る舞いは品行方正です。けれども姿がロバであるために城の者たちにからかわれ、王様もおきさき様もかまってくれません。ロバの王子は一人さびしく暮らします。やがてロバの王子はリュートの弾き方を教わり素晴らしい腕前になります。ところが王様もおきさき様も、そのリュートのすばらしい音色にさえまったく関心を示しません。ロバの王子は悲しくなり、王子の装いを脱ぎ捨ててお城を後にし、あてもなく旅に出ました。やがてロバの王子は立派なお城にたどり着き、リュートを奏でる腕前が認められて城で暮らすよう迎え入れられました。このお城の人たちは皆、ロバの王子のふるまいに好意と敬意を持ち、リュートの音色に魅せられ、ロバの姿であることを気にもしません。そしてロバの王子は、大好きなお姫様に、お姫様もロバの王子が大好きであることを打ち明けられます。ロバの王子は、魔法使いが掛けた魔法によりロバの姿で生まれてきましたが、その魔法は、誰かに心から愛されるようになるまではロバの姿のまま、というものでした。お姫様の思いはたちまち魔法を解き、ロバの王子はりりしく美しい若者の姿になります。王子とお姫様は結婚し、幸せに暮らすのでした。

2025/07/10

「なつのいちにち」

一人、この手でカブトムシをつかまえたい。
素朴な田舎の豊かな自然を背景に、
男の子はひとつの思いを胸にまっしぐらに駆け抜ける。
真夏の太陽のように輝く忘れられない日を描く、
とびっきり素敵な絵本。
  
はたこうしろう 作
偕成社
全国学校図書館協議会選定
日本図書館協会選定
社会保障審議会推薦文化財
児童福祉文化賞推薦作品

 

少年がクワガタムシを求めて胸を高鳴らせながら駆け抜け、あきらめずに挑戦する姿を応援してしまいます。少年のまっすぐな情熱は、真夏の色鮮やかな緑よりも一層みずみずしい輝きを見せてくれます。文字が少ない絵本ですが、少年と共に高揚感や喜びを味わい堪能できる絵本です。この少年のような記憶を持つことって素敵です。いつまでも消えることのない宝物になることと思います。

ところで、この絵本に出てくる「クマゼミ」はどんなセミか。クマゼミの北限は関東南部だそうです。東日本に住んでいると知らないセミかも知れません。西日本にはいます。クマゼミが元気な地域に住んでいると、真夏には毎朝シャーシャーというけたたましいクマゼミの群れの鳴き声で目が覚めます。並木を見ると、あっちの枝にもこっちの枝にもセミが列を作るようにわんさと並んでいて、シャーシャーと大合唱しています。からだはアブラゼミやミンミンゼミよりも大きくて、虫取り網がなくても手でつかまえられるニブさです。クマゼミは西日本では当たり前の夏の風物詩。「なつのいちにち」の舞台はおそらく西日本なのですね。

2025/07/08

「こぐまくんのハーモニカ」

こぐまくんの母さんはお話を書く人、父さんはハーモニカの演奏家。
夜は父さんのハーモニカが子守唄になり、
母さんがお話をして寝かせてくれます。
こぐまくんは父さんからハーモニカをもらい、
どんどん上手くなってたくさんの人に褒められます。
ところが「こぐまくん」の心には迷いが生じ、吹くのをやめてしまいます。

 
ジョン・セバスチャン 作、ガース・ウィリアムズ 絵
三木卓 訳
リブリオ出版
絶版になりました


包み込む優しさに満ち、経験に基づく示唆に富んだ物語です。
人と比べられることにマイナスの気持ちを抱く人は多いものです。しかし、得意なことや優れているプラスの面を知るにも、周囲と比べて見定めているものです。比較した結果をどう受け止めるかによって、気持ちの持ち方に明暗が分かれます。
「こぐまくん」はハーモニカが上手いことを褒められますが、次第に好意的に受け止められなくなっていき、ハーモニカを吹くのをやめてしまいます。それは、プロのハーモニカ奏者であるお父さんのようになれるかもしれないよ、という賞賛のためでした。「どうしてみんなは、お父さんと比べたがるんだろう」という「こぐまくん」に、お母さんはわかりやすく答えます。そして、「大人になったらきっと父さんみたいになるって、みんなが言う。・・・父さんはそうなって欲しい?」という「こぐまくん」の問いに、お父さんは温かい言葉で「こぐまくん」を包んで満たします。お母さんもお父さんも、「こぐまくん」の戸惑う心を受け止め、自分の気持ちをまっすぐに伝えています。見習いたいと思いました! その言葉をぜひ絵本で確かめてみてください。(残念ながら、日本語版も原書も絶版状態ですが。)
挿絵はガース・ウィリアムズによるもので、白黒の繊細な線画で愛らしい「こぐまくん」の心の揺れを巧みに描いています。
この絵本の作者ジョン・セバスチャンは、アメリカのバンド、ラヴィン・スプーンフルを結成し、ハーモニカ奏者としても知られているそうです。「こぐまくん」のお顔に似ていますね。

日本語版も原書も絶版状態です。

原書:
"J.B.'s Harmonica"
Written by John Sebastian, Illustrated by Garth Williams,
Published by Harcourt Children's Books, 1993.

2025/07/06

さわる絵本「これ、なあに?」

ザラザラくんは丸い家に、バラバラくんは三角の家に住んでいます。
ザラザラくんはまっすぐな道を歩き、バラバラくんを探しに行きます。
出会ったポツポツちゃんとシマシマくんは、
一緒にくねくねした道を歩いて探してくれます。
四角い広場にツルツルくんがいました。
あれ!ツルツルくんの後ろに、バラバラくんがいました!

 
バージニア・A・イエンセン、ドーカス・W・ハラー 作
きくしま いくえ 訳
偕成社

 
ザラザラ、バラバラ、ポツポツ、シマシマ、ツルツル。この名前は、キャラクターたちの見た目そのものです。そして、触った感じそのものです! この本は点字の技術が生かされ、絵の黒い部分が盛り上がっているので、指先で触って感じ取ることができるのです。 丸い家、三角の家、四角い広場、まっすぐな道、くねくねした道も、指で文字通り感じ取ることができます。色も形もシンプルに抑えた上品で美しい絵ですので見るのも楽しいです。丈夫な紙を使っており、リング綴じでしっかり開き使いやすいです。小さなお子さんがどんどん見て触って大丈夫です。
私が子どもの頃、他にない特徴を持つこの絵本が大好きでした。点や線の盛り上がった所が、引っかいたら取れるんじゃないかとやってみたのにビクともしなかったのを覚えています。実家にあったこの絵本はいつの間にか誰かの手に渡り、私もすっかり存在を忘れていましたが、本屋で偶然にこの絵本に再会して一気に思い出しました。当時も人気のある本でした。改めて今見てもおすすめです。割高ですが、時代が変わっても斬新で美しく、目と指先で味わうという特徴を持ち、丈夫な作りを考えれば納得です。

2025/07/04

「ZOOM ズーム」文字のない絵本

イシュトバン・バンニャイ 作
復刊ドットコム


赤い表紙をめくると、次に表れる絵は赤いギザギザの形をした「何か」。次のページをめくるとオンドリの姿が現れ、前項の赤いギザギザはとさかだったのかとわかります。次のページにはオンドリとオンドリを眺める子どもたちの姿が現れます。この様に、ページをめくる度に見るものがズームアウトされていきます。しまいにはどんな場面になるのでしょう⁉ 
子ども時代に誰もが思い描く、絵の中に絵が描いてあって、その絵の中にも別の絵が描いてあって、その絵の中にもまた・・・というような世界観が巧みに表現されています。そして、何気ない日常がどこかとつながり合っているんだと感じる驚きと嬉しさがある絵本です。大人向けの絵本かもしれませんが、大人だけが楽しむのはもったいない!子どもたちにも楽しんで欲しいと思います。
日本語版には最後に谷川俊太郎さんの詩が載っています。

文字がないので洋書を選んでも素敵ですね。
アメリカの amazon を見ると、購入者が投稿した動画で洋書版の中身を確認できます。ハードカバーとペーパーバックの両方が投稿されています。

原書: 
"ZOOM"
by Istvan Banyai, Puffin Books, 1998. 
ペーパーバック版

2025/07/02

「1日30分間『語りかけ』育児」

0~4歳 わが子の発達に合わせた
「1日30分間『語りかけ』育児」
サリー・ウォード 著、汐見 稔幸 監修、槙 朝子 訳

1日30分間、ひとりの子供に親が向き合い、関わり合い、対話する。これを提唱している本です。
子供と満たされた気持ちを共有する時間は、それだけで完璧な時間だと思います。心の支えは、完璧な時間の積み重ねが与えてくれるのかもしれません。私はそう思ってこの本を参考にしました。30分間はあっという間の時もありますが、向き合う30分を毎日捻出するのは大変なことだと実感しました。私の場合毎日子供1人につき30分とはいきませんでしたが、向き合い心を通わせようと努めてきました。育児書はいくつか読んだと思いますが、常に思い出して心掛けたのはこの本の教えでした。
絵本の読み聞かせを日課にしてきたのもこの本の影響です。読み聞かせは「語りかけ」育児の趣旨とは異なりますが、絵本を囲んだ満たされたひと時も作れたと思います。

日本では毎日の食事やお弁当を作ってあげることも重要と考え、手作りがたたえられ、ごはんが愛情を育むとよく言われます。けれども私は、外食がちでも、お惣菜を並べても、それと愛情の大きさとは別だと考えています。例えば台湾では外食が当たり前だったり、タイでは家にキッチンがなかったり。でも愛情には問題ない訳です。ごはんの準備は愛情に満ちて尊いです。しかし、ごはんの準備が大変だったり割に合わないのならば、苦悩せず他に頼ればいいと思います。子育ては、親子が満ちた時間を共有し対話すること第一でいいと思います。
また、日本では幼い子供と親が一緒に入浴するのは当たり前でも、他の国ではシャワーだけ浴びるのが普通だし、子は親の裸を見た覚えがないのも当たり前だったりします。でも日本らしく、親子でお風呂というのも対話の時間を捻出する手だと思います。そうやって対話する時間は有意義だとおっしゃるお母さん方も身の回りにいました。著者のサリー・ウォード先生は驚くかもしれませんね。