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2025/04/24

「チョコレート工場の秘密」

 
「チョコレート工場の秘密」ロアルド・ダール コレクション 2
ロアルド・ダール 作、クエンティン・ブレイク 絵、柳瀬尚紀 訳
評論社 2005

1964年に発表された Charlie and the Chocolate Factory の日本語新訳版です。面白いストーリーですね。映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作です。映画はだいぶ原作に忠実で、世界観を見事に表現し、さらにはチャーリーへのリスペクトが感じられます。原作も映画も傑作だと思います。
読みやすく声に出して読むのも楽しいので、少しずつ読み聞かせするのもおすすめです。もちろん、小学生から自分で読むのにぴったりです。
クエンティン・ブレイクが1978年にロアルド・ダール作品「どでかいワニの話」 のイラストを手掛けて以来、ロアルド・ダール作品とクエンティン・ブレイクのイラストの組み合わせは定番になっています。この組み合わせも好きです!

作品中の工場の主 Willy Wonka はアメリカでは有名なのでもはや代名詞や比喩として用いられており、インスタや動画でもレトリックとして見聞きします。作品を知っておくと用法が想像できると思います。例えば、Willy Wonka は奇抜な人の代名詞だったり、Willy Wonka moments と言えば夢のようなひと時をあらわしています。注意点もありますので詳しくは AI に聞いてみるといいと思います。

映画「チャーリーとチョコレート工場」2005
Prime Video 吹替版
 
 

2025/03/26

「ザスーラ」

「ジュマンジ」のゲーム盤にはもうひとつのゲーム盤「ザスーラ」が入っていた。
ダニーとウォルター兄弟は何気なく「ザスーラ」を始めてしまう。
ゲームの舞台は宇宙だ。
 
クリス・バン・オールズバーグ、金原瑞人 訳
ほるぷ出版
絶版になりました 


絵本「ジュマンジ」の続編です。宇宙を舞台にした危険なゲームの展開にドキドキしながらも、無邪気なダニーと、ゲームを通してひとつ大人になるウォルターとの兄弟愛がほほえましく、嬉しくなる話です。細やかなモノトーンの美しい絵は「ジュマンジ」とは違った手法の描き方で、雰囲気も一転しています。
すべての漢字にはふりがなが振ってあります。

「ザスーラ」は「ジュマンジ」から20年を経て出版されたそうです。日本語版はどちらも ほるぷ出版から出版されていましたが両方とも絶版になっています。「ジュマンジ」は あすなろ書房より村上春樹訳となってとなって復刻されています。 

なお、映画版「ザスーラ」には姉や宇宙飛行士も登場し、映画版「ジュマンジ」と同様に時空を越えた面白味が加わっています。

2025/03/24

「ジュマンジ」

ピーターとジュディは拾ったゲーム盤を家に持ち帰る。
危険なジャングルを通り抜けるすごろくゲームだ。 
いったん始めたら誰かが上がるまで絶対にゲームは終わらないのだという。

クリス・バン・オールズバーグ 作・画、村上春樹 訳
あすなろ書房
コルデコット賞受賞
モノトーンの迫力ある美しい絵を眺めながら、スリリングなゲームに引き込まれます。絵も物語りも緊張感や驚きに満ち、子供も大人も満足するに違いありません。
映画「ジュマンジ」の原作本です。映画の中で故ロビン・ウィリアムズが演じる主人公は、絵本の中ではどんな風に登場するのでしょう? 見比べてみるのも面白いです。
以前は ほるぷ出版から出版されていましたが絶版となり、その後あすなろ書房より村上春樹訳となって復刻されています。
すべての漢字にはふりがながふってあります。

次は「ジュマンジ」の続編、「ザスーラ」について書きます。

2025/02/02

「ピノキオの冒険」の原作

 
カルロ・コルローディ 作、R・インノチェンティ 絵
金原瑞人 訳、西村書店
銀の絵筆賞受賞

ピノキオを読むならカルロ・コルローディ原作「ピノキオの冒険」の完訳版に決まりです!細やかで美しい挿絵は、ピノキオと同じフィレンツェ出身の画家によるものだそうです。黒い布貼りの表紙で紙のケース箱入りという装丁で、イタリアの名作にふさわしいお姿です。日本語訳は歯切れがよく読みやすいです。
子供向けにアレンジした作品とは違い、原作であるこの内容には残酷なエピソードが多々あります。けれども話の展開が速い中でたくさんの笑いと教訓が繰り広げられ、飽きずに早く次々と読みたくなる面白い本です。ピノキオの話がこんなに教訓じみていて、暗いけれども面白く、出来事が次々に起こって読むのが止まらなくなるなんて、原作を読むまで知りませんでした。長い文章ですので読み聞かせするには何日もかかりますが、次読んで!と何度もせがまれました。ただ、ピノキオが追いはぎに遭遇したり吊り下げられたりという場面は、幼い年頃にはトラウマになる怖さですので、無理に読み聞かせず見極めが必要かと思います。また、長い話の中に登場する様々なキャラクターは伏線でもあり、それぞれが後の話の中に再びあらわれ、多方向に展開する話を結び付けながら進んでいきます。私にとって中でも印象的だったのは、コオロギとカタツムリという名脇役でした。
読み終えたら映画「ピノッキオ」と見比べてみても面白いです。映画の方も、これまた話がコロコロと展開します。   
映画「ピノッキオ」DVD

2025/01/30

人が恐れおののき逃げるほどの醜い主人公シュレック。
シュレックが自信満々で堂々と我が道を行き幸せを掴むかっこよさを痛快に描いています。
醜い主人公に心惹かれるたぐいまれな作品。

原書: Shrek! (ペーパーバック版)
by William Steig

ウィリアム・スタイグ 作、小川 悦子 訳
セーラー出版
銀の絵筆賞受賞

愉快なアニメ映画「シュレック」を生み出した原作絵本「みにくいシュレック」。映画では飛躍し、おとぎ話のキャラクターを総動員した世界の中でシュレックを活躍させています。絵本に登場するロバ、ドラゴンが待ち構える城、醜いお姫様を映画にも取り込み、シュレックは奇想天外な冒険をします。映画のシュレックは次第に人に慕われていき、愛する相手を見つけたシュレックは、ついに誰もが認める強くて優しいヒーローになります。壮大な映画の中で、醜いながらもかっこよく闊歩するシュレックは魅力的です。
一方、原作の絵本のシュレックはとにかく醜さ満載の見たことのない主人公でびっくりです。ところが最後は、読んでいるこちらが照れてしまうほどの愛情表現で締めくくられます。この愛に満ちているからこそ、堂々たる強く優しいシュレックが完成します。 ・・・誰にでも欠点があるけれども、それを上回る魅力を愛してくれる人がいる。・・・そんな月並みな言葉を、奇抜なアイデアで表現し伝えているのかもしれません。ウィリアム・スタイグの愛情に満ちた作品が、私は大好きです。

2024/12/08

急行「北極号」

サンタクロースを一目見ようとイヴの夜を寝ずに過ごす少年は、 
急行北極号に乗り込みサンタのいる北極点に向かう。 
そこで少年はサンタからソリの鈴をもらう。
その美しい鈴の音はサンタを信じる者にしか聞こえないのだという。
少年が大人になった今も、彼にはその鈴の音が聞こえる。

 クリス・ヴァン・オールズバーグ 作、村上春樹 訳
あすなろ書房
コルデコット賞受賞

美しく描かれたこの本をめくる時は、うっとりしてしまうので瞑想に似た時間を過ごすかのようです。 心にゆとりを持ちたい時に手に取りたい本です。
サンタクロースを信じている子どもには複雑な話かもしれません。というのも、サンタを信じる者にしか聞こえない鈴の音は少年には聞こえるが、少年の友人はサンタなどいないと言い、鈴の音は両親には聞こえず、やがては妹も聞こえなくなってしまうという現実的なことも書いてあるためです。サンタを信じる心を持っていた大人のための本なのかもしれません。とは言えやはり、サンタはいるよという物語です。
映画「ポーラー・エクスプレス」の原作本です。原作本を読み、映画を楽しむ。こういうの大好きです。

トム・ハンクス (出演)、 ロバート・ゼメキス (監督)