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2025/02/20

「ピッツァぼうや」

ごきげんななめのぼうや、ピートを、お父さんがピザにしてしまうという「ごっこ」遊びをします。二人はふれあい、ピッツァ遊びの役割をなりきって楽しく心を通わせます。ピートは心満たされごきげん回復です。

ウィリアム・スタイグ 作、木坂涼 訳
らんか社(旧セーラー出版)

実際に真似できる遊びのアイデアが物語になっています。あたたかくユーモラスで、ほほえましい表情のイラストに癒されます。お父さんが活躍する頼もしいお話です。ウィリアム・スタイグ氏の作品には、男の人の頼りがいのある心や家族のぬくもり、意外な角度からの視点、温かなユーモアがみられます。ウィリアム・スタイグ氏のもう一つの特徴である素朴なイラストと白く広い余白は、読み手が想像した光景を思い描く余裕を持たせて引き込んでいきます。
ピッツァといえばイタリア!という訳で?小粋なことに、本の前後の見返しの色が、赤と緑のイタリアンカラーで演出されています。

 
William Steig, , HarperCollins
ハードカバー版とボードブック版があります。

2025/01/30

人が恐れおののき逃げるほどの醜い主人公シュレック。
シュレックが自信満々で堂々と我が道を行き幸せを掴むかっこよさを痛快に描いています。
醜い主人公に心惹かれるたぐいまれな作品。

原書: Shrek! (ペーパーバック版)
by William Steig

ウィリアム・スタイグ 作、小川 悦子 訳
セーラー出版
銀の絵筆賞受賞

愉快なアニメ映画「シュレック」を生み出した原作絵本「みにくいシュレック」。映画では飛躍し、おとぎ話のキャラクターを総動員した世界の中でシュレックを活躍させています。絵本に登場するロバ、ドラゴンが待ち構える城、醜いお姫様を映画にも取り込み、シュレックは奇想天外な冒険をします。映画のシュレックは次第に人に慕われていき、愛する相手を見つけたシュレックは、ついに誰もが認める強くて優しいヒーローになります。壮大な映画の中で、醜いながらもかっこよく闊歩するシュレックは魅力的です。
一方、原作の絵本のシュレックはとにかく醜さ満載の見たことのない主人公でびっくりです。ところが最後は、読んでいるこちらが照れてしまうほどの愛情表現で締めくくられます。この愛に満ちているからこそ、堂々たる強く優しいシュレックが完成します。 ・・・誰にでも欠点があるけれども、それを上回る魅力を愛してくれる人がいる。・・・そんな月並みな言葉を、奇抜なアイデアで表現し伝えているのかもしれません。ウィリアム・スタイグの愛情に満ちた作品が、私は大好きです。

2025/01/16

「ロバのシルベスターとまほうの小石」

ロバの子供のシルベスターは、ある日魔法の小石を拾い、 かわいそうなことに岩になってしまいます。 素朴な家庭にこの不運が訪れ、 両親は愛する我が子の現れない日々に心身が磨り減り、 すっかり生きる気力をなくしてしまいます。
しかし、月日がたち、 両親がこれからは二人で前向きに生きていこうとしたその時、 シルベスターは、 元の姿に戻りたいという切実な願いをついに叶えることができるのです。

ウィリアム・スタイグ 作、瀬田 貞二 訳
評論社
コールデコット賞受賞作

不運に立ち向かい、挫折し、乗り越えようとする両親の姿。心からの思いを全身で伝えようとするシルベスターの気持ち。そして何にも代えられない家族の絆の大切さに心打たれます。愛に満ちた暮らしこそが何よりの幸せであり、いかに豊かなことかを再確認する物語です。とてもとてもおすすめです。