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2025/04/22

「白鳥」アンデルセン童話

ある国の11人の王子達と妹のエリザは姿も心も美しく、 何の不足もなく豊かに暮らしていました。 ところが継母が来てからはひどい扱いをされました。 そしてエリザは田舎の百姓家へ預けられ、 11人のお兄さん達は魔法で白鳥に姿を変えられたのです。 年月が経ち、お兄さん達にかけられた魔法を解く方法を知ったエリザは、 魔法を解くために我が身をすり減らして苦しみに耐え続けます。 

アンデルセン 作、マーシャ・ブラウン 絵、松岡享子 訳
福音館書店
絶版になりました


入手しにくいのが残念です。
エルザと王子たちは信じ合う心で固く結ばれ、いつでも気高い心の輝き持っています。純真で善良なエリザと11人のお兄さん達。彼らの感謝の心や大切な人を思いやる心の描写が、物語の所々で美しい言葉で表現され、その度にドキリとさせられます。また、エリザは魔女ではないかと疑われ、誤解され、エリザには死刑の時が迫ります。皆にさげすまれながらも、エリザは信念を貫き通し、残された時間をお兄さん達のためにできることだけに使うのです。その最後のシーンにはハラハラさせられます。
物語と同じく文章もとても美しく、読みやすいです。何回かに分けて読み聞かせするにも区切りやすいページ設定です。
難しい漢字には初回だけふりがな付きです。
小学生に読み聞かせたり、小学生が自分で読むのにぴったりだと思います。

2025/01/14

「人魚ひめ」アンデルセンの絵本

海の底の底に、人魚の王様の城があった。
 6人の人魚のお姫様の中で一番美しい末のお姫様は、 
海の上に行くことを許される15歳になった時、 
船の上にいる人間の王子様に一目で恋をする。
人魚姫は、王子様と同じ人間になるために固い決心する。
H・C・アンデルセン 原作、リスベート・ツヴェルガー 絵、角野 栄子 訳
小学館

人魚姫は王子様と同じ人間になろうと決意しますが、人間になるためには、人魚の家族に別れを告げ、声を失い、さらには美しい尾が2本の脚になるのと引き換えに、脚には始終激しい痛みを伴うのでした。そこまでして人間になる望みを叶えた人魚姫。しかし、人魚姫は王子様のそばにいられるにもかかわらず、結ばれない運命なのでした。王子様の幸せを思いつつ、人魚姫は海の水の泡となってしまうのです。
ハッピーエンドにならないやりきれなさが切ないです。私は幼い時に人魚姫の話を読んでもらった時から、切ない人魚姫が心に引っかかって離れず、何より人魚姫が水の泡になってしまうという結末は強烈な印象を残し、恐れと悲しみの入り混じった想像で膨らみました。ところが私が幼い時に読んだ絵本とは違い、この絵本「人魚ひめ」のツヴェルガー氏の絵は、神秘と優しさ切なさを上品に描いています。「水の泡」の絵は無く、「水の泡」と化した後の次元の人魚姫を思わせる、温かさにつつまれた絵になっているのが救われます。また、私がこの絵本の挿絵で最も好きなのは、人魚姫が金色のうろこ模様がきらめくドレスを着ている場面です。この姿の美しいことといったら! 
大人になって改めて「人魚ひめ」を読み、爽快なハッピーエンドの物語では感じることのできない、浮き沈みが錯綜する物語に心を動かされました。絵のもたらす感動も大いに味わえます。 
すべての漢字にはふりがなが振ってあります。

2025/01/08

「えんどう豆の上にねむったお姫さま」

お姫様らしいお姫様をおきさきに迎えたい王子様は、 本物のお姫様を求めて世界中を探して回りましたが見つけられません。 しかし、ある嵐の夜、 本物のお姫様だと名乗る、風雨に打たれた哀れなお姫様が訪れました。 本物のお姫様であるかどうかを見極めるため、 贅沢な寝具の下にえんどう豆を置き、寝心地を尋ねてみると・・・。

https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/08f4d58d.fd1e32ec.08f4d58e.6f86fee1/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F170964%2F&link_type=hybrid_url&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJoeWJyaWRfdXJsIiwic2l6ZSI6IjI0MHgyNDAiLCJuYW0iOjEsIm5hbXAiOiJyaWdodCIsImNvbSI6MSwiY29tcCI6ImRvd24iLCJwcmljZSI6MCwiYm9yIjoxLCJjb2wiOjEsImJidG4iOjEsInByb2QiOjAsImFtcCI6ZmFsc2V9
アンデルセン 作、ドロテー・ドゥンツェ 絵
ウィルヘルム・きくえ 訳
太平社

 チャーミングでファンタジックな香りのする、乙女心をつかむ魅力の絵本です。32.5×25㎝の大型絵本。縦長の大型絵本であることには訳があります。その大きな紙面で、淡い色と深みのある色が心地良く調和した描写にうっとりします。特に、お姫様のために用意したベッドにえんどう豆が置かれ、その上に幾重にも布団が重ねられた淡い色彩の層には心を奪われそうです。この高く重ねられた布団の描写のための大型本!という感じです。また、登場人物のすべてが実に個性的で人間味豊かな表情をしているのも見ものです。
アンデルセン童話の一つで有名ですが、日本ではあまり知られていない作品かと思います。私はとても好きな作品で一押しです。英語の題名は "The Princess and the Pea" です。
低学年で習う漢字や「姫」という漢字にはふりがなが振ってありません。
難しい漢字にはふりがな付き。