白雪姫の継母は真実のみを語る鏡に問いかけます。
継母は、自分が一番きれいと言われなければ満足しません。
鏡が「白雪姫は、誰よりもきれい」と答えると、
継母は、ねたましさのあまり白雪姫の命を奪おうとします。
白雪姫は命を狙われて森をさまよい、
出会った七人の小人たちの家に住み込みます。
そこにも、継母が白雪姫の命を狙いにやって来るのでした。
ナンシー・エコーム・バーカート 画、八木田宜子 訳
冨山房
全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協会選定図書
絶版になりました
初版のグリム童話に忠実に沿って書かれた絵本です。あらすじは下記の通り。あまりに恐ろしい継母に、純真な白雪姫は何度もあっさりとだまされて気の毒なことになってしまいます。絵は細部まで細やかに描き込まれていて、継母の行いの強烈な不気味さを絵が怪しく盛り上げてくれる一方、きれいな白雪姫の絵には見とれてしまいます! また、繰り返し出てくる名ぜりふが「鏡よ、鏡。」ではなく、「鏡よ、鏡、壁の鏡よ。」なのが嬉しいです。英語でも有名な "Mirror, mirror on the wall, …" を直訳し、同じ言い回しになっています。
小人たちが白雪姫に出会った時の言葉の繰り返しも面白いですね。それは次のような場面で出てきます。小人たちが留守にしている家に入り込んだ白雪姫は、食卓に上がっているものを少しずつ頂戴し、ベッドで寝てしまいます。帰宅した小人たちは、「わしの椅子に座っとったやつは誰だ?」「わしのパンを食べとったやつは誰だ?」「わしのベッドに寝とったやつは誰だ?」・・・などと言い、ぐっすりと眠る白雪姫を見つけます。 ―― このような言葉の繰り返しを味わえるのもいいですね!
すべての漢字には振り仮名付きです。
《あらすじ》
白雪姫の継母は国一番の美貌でしたが、白雪姫がやがて自分よりも美しく成長すると、ねたましさのあまりに白雪姫の命を4度も狙います。継母が「鏡よ鏡・・・。」と問い、自分ではなく「白雪姫が一番きれい」と答えが返ってくる度に、白雪姫の命を狙うのです。まずは狩人に頼み、猟刀で刺して内臓を持ち帰らせて食べようとするも失敗。森へ逃げた白雪姫は、七人の小人の家にたどり着き、住まわせてもらうことになります。2度目からは、継母自らが小人の家に住む白雪姫のところへ出向き、白雪姫を胸紐で息ができないほど締めたり、3度目には毒の櫛で髪をとかして気を失わせ、4度目には毒リンゴを食べさせて死なせてしまいます。しかし白雪姫は棺の中に横たわってもなお七人の小人たちに大切に見守られ、偶然通りかかった王子様のおかげで息を吹き返し、彼と幸せな結婚をします。一方継母は、白雪姫にひどいことをした罰を受けることに。