2024/12/12

「3びきのくま」ロシア民話をロシアの雰囲気で楽しむ

森へ遊びに行って道に迷った女の子は、 小さな家をみつけて入りました。 実は、この家は3匹のクマの家族が住む家。 クマたちは散歩に出かけていて留守だったのです。 女の子はテーブルの上にあった3匹分のスープを一口ずつ飲み、 3つの椅子の一つずつに腰を掛け、 3つのベッドの一つずつに入り、 一番小さなベッドで眠ってしまいました。 そこに、お腹をすかせたクマの家族が帰ってきました。

   
トルストイ 作、バスネツォフ 絵、おがさわら とよき 訳
福音館書店 1962年5月発行
    

いくつも出版されている人気ロシア民話の「3びきのくま」。中でも私のいちおしの絵本がクラシックでロシアの雰囲気が素敵なこの作品です。 クマの家族構成は、とても大きなお父さんクマのミハイル・イワノヴィッチ、少し体の小さいお母さんクマのナスターシャ・ペトローブナ、小さなクマの子のミシュートカの3匹。名前が付いているのでクマの存在感が高まり、尊厳まで感じられる気がしてきます。それでいて、とぼけた表情のクマ、という挿絵がなんだか魅力的です。
それから、「誰だ、私のスープを飲んだのは」「誰です、私のスープを飲んだのは」「誰だい、ぼくのスープをのんでしまったのは」という3匹の同じような言葉の繰り返しが楽しく読めます。繰り返しとはいえ、状況によって少しずつ言葉が変わるので飽きません。そして話が盛り上がってすぐに物語が終結するのも潔くって面白いです。 
すべてひらがなとカタカナで書いてあります。

 次回も、「わしの椅子に座っとったやつは誰だ?」「わしのパンを食べとったやつは誰だ?」というような繰り返しのセリフの出てくる絵本について書こうと思います。

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