2025/01/18

昔話 "The Teeny-Tiny Woman" を読み比べ

昔話 "The Teeny-Tiny Woman" を読み比べてみました。 小さい小さい家に住む、小さい小さいおばあさんの話です。

 
ポール・ガルドン 絵、
晴海耕平 訳
童話館
絶版になりました

イギリスの昔話です。「ちいさい ちいさい」という形容詞が繰り返される、読んで聞いて楽しいリズミカルな文章です。しかし内容は怖いんです。
――ちいさいちいさいおばあさんは墓地で骨を拾って持ち帰り、戸棚にしまいます。ベッドに入り眠りかけた時、戸棚から声が聞こえてきました。――
果たして、おばあさんがとった行動とは!? 結果は、面白いんですよ。でもやはり、声色を怖くすると子どもはおびえるかも知れませんので加減してくださいね。
原作の "The Teeny-Tiny Woman: A Ghost Story" は英語学習をされているお子さんに楽しんでもらえそうです。teeny-tiny (ちいさいちいさい)が繰り返され、愉快です。
他に、人気の画家トミー・デ・パオラ の描いた「ティーニイタイニイ ちいちゃいおばちゃん」(ジル・ベネット 作 偕成社)も同じ話です。優しい絵がとてもかわいらしいです。

また、スウェーデンのエルサ・ベスコフも、昔話をもとに「ちいさな ちいさな おばあちゃん」を絵本にしています。上記のイギリスのものとは異なり、こちらはまったく怖い話ではありません。
 エルサ・ベスコフ 作、石井登志子 訳
偕成社
絶版になりました

あたたかい色使いで、ちいさなちいさなおばあちゃんの素朴な暮らしが語られています。ゆったりと静かな時間が感じられます。ところが、おしまいにおばあちゃんがその静寂をちょっと破るのです。スウェーデンの昔話なのでしょうか? 作者がアレンジしたものなのでしょうか? あとがきに経緯が書いてあるものの、どこの昔話なのかは明記されておりません。なお、あとがきによれば、これは1897年に出版されたベスコフのデビュー作で、ビアトリクス・ポターの「ピーターラビットのおはなし」が出版される4年前のことだそうです。

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