学校へ行ってしまいました。
その手紙には次の手紙のありかが書いてあり、
次の手紙には、さらに次の手紙のありかが書いてあり・・・。
お母さんは家中を探し回り、手紙を集めました。
それは、まみこから両親への素敵な贈り物でした。
そしてまみこにも、素敵な贈り物が待っているのです。
瀬田貞二 作、林明子 絵
福音館書店
絵本のストーリーは表紙からすでに始まっており、裏表紙まで続きます。
私は子どもの頃、この絵本の綿密なストーリーに心を奪われ、優しい絵を隅々まで眺め、繰り返し読みました。そして何度も「まみこ」の手紙のような遊びをして楽しみました。この絵本のように何かを祝うため・・・ではなく、子供同士で宝探しのように遊びました。空想の世界を楽しませてくれるファンタジックな絵本とは異なり、『きょうはなんのひ?』からは具体的な遊びに発展し、ともに遊びを共有した人がいることが嬉しいですね。工夫して手紙を隠したりプレゼントを考えたり、探す立場になるのも楽しかったものです。しかし、「まみこ」のように知恵を凝らした上出来な手紙とプレゼントには到底かないませんでした。「まみこ」には本当に感心します。また、優しい人柄が伝わってくる「お母さん」にはいつまでも憧れます。
造形や絵画など、創作を子供に教える先生は、子どもが真似できないレベルの手本を作ってみせるのだそうです。『きょうはなんのひ?』は、いつまでも手本であり続ける絵本だと思います。
下の挿絵の中で「お母さん」が開いている絵本は、『きょうはなんのひ?』の作者、瀬田貞二さんが訳された『マドレーヌといぬ』です。犬がマドレーヌを助けようとする場面のページを開いています。
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