クマに出会った森の動物たちは、クマの事情を知ると、
決まって小鳥のことは忘れるようにと言うのです。
とうとうクマは、家に独りこもるようになってしまいます。
ある日、いい天気につられて外に出たクマは山猫に出会います。
山猫はクマの深い悲しみを感じ取り、クマを慰めます。
山猫のおかげで小鳥との満ち満ちた日々をようやく確認したクマは、
小鳥のいない生活への新しい一歩を踏み出します。
湯本香樹実 文、酒井駒子 絵
河出書房
講談社出版文化賞絵本賞受賞
別れと向き合うという重いテーマについて、一つの答えを見せてくれる絵本です。繊細で美しい挿絵とともに、生と死や心が描かれています。ベージュ色の紙面に白黒の挿絵で、最後の方で濃い桃色が少しだけ色塗られています。この静かな絵から、親しい大切な小鳥を亡くしたクマの気持ちがまっすぐに伝わってきます。
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