遊ぼうと思って生きものたちを捕まえようとすると、
どの生きものも逃げて行ってしまいました。
仕方なく池のそばでじっと静かにしていると、
逃げた生きものたちは、「わたし」のそばに次第に戻って来ました。
みんなが遊んでくれて、「わたし」はとっても嬉しいのです。
マリー・ホール・エッツ 作、与田準一 訳
福音館書店
虫や鳥、動物を捕まえようとする時、たいてい逃げられてしまいます。誰もが経験していると思います。
あいにく私には、この絵本の「わたし」のように野生生物に優しく囲まれた経験がありません。ただ、自然の中に座り込んでゆったりと辺りを見渡す時の、風を感じ、木の葉の擦れる音、鳥のさえずりを聞き、虫が地を這い宙を舞うのを愛でる、満たされた感覚は知っています。これも誰もが経験しているのではないでしょうか。こういう感覚も、自然の中に溶け込んでいると実感するささやかな喜びの一つです。
「わたし」の喜びには及ばなくても、この絵本のメッセージは読む人の様々な経験を思い出させ、気持ちにスッと入ってきます。
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