2025/01/26

「トゥース・フェアリー」妖精さん、わたしの歯をどうするの?

女の子は、抜けたばかりの歯を小箱に入れて眠りにつきました。
すると近くに住む妖精が秘密の場所に出かけ、
何やら忙しく仕事を始めました。
 「トゥース・フェアリー」妖精さん、わたしの歯をどうするの?
ピーター・コリントン 作
BL出版
絶版になりました

子どもの歯が抜けると、日本では上の歯は屋根の上に、下の歯は縁の下に放り投げ、永久歯がまっすぐに生えるよう願いをかける慣わしがあります。私も子どもの頃にそうしました! ところが今はマンション住まいなので、子どもの歯が抜けた時にその歯をどうしようかと困りました。調べると、西洋では、抜けた歯を箱に入れて枕元に置いておくと眠っている間にトゥース・フェアリーという妖精が来て、歯と引き換えにコインを箱に入れていくという言い伝えがあると知りました。日本でも歯を抜けた乳歯を入れる可愛いケースが手に入るようです。
では妖精はどうやって歯とコインを交換しているのか。なぜ歯を持って行くのか。この疑問に答えてくれる絵本がピーター・コリントンの「トゥース・フェアリー」です。女の子の歯が抜け、歯を箱に入れて眠りについてから、朝目覚めてコインを見つけるまでの物語です。女の子が眠っている間に、妖精が慌しくも確かな仕事を始めます。ロマンチックな想像の世界を堪能しながら、妖精が歯を必要としている訳もわかります。漫画のようにコマ割りしてあり、文字はないのですが流れるように話がわかります。
ところで、日本のアニメがもとになった人気ハリウッド映画「トランフフォーマー」の中で、夜、トランスフォーマー(ジャズというキャラクター)が騒々しいので、枕元に抜けた歯を置いて眠っていた女の子が起き出し、トランスフォーマーを見て「歯が抜けると現れる妖精さん?」と話しかけるシーンがあります。西洋の文化を一つ知ることでそんな映画のひとコマもよくわかり、ちゃんと笑えますね。

原書: The Tooth Fairy by Peter Collington. Jonarhan Cape Ltd, 1995.

0 件のコメント:

コメントを投稿