2025/06/12

日本の神話 第六巻「うみさち やまさち」

兄の海幸は海の魚を釣るのが仕事。
弟の山幸は獣を捕るのが仕事。
ある日、山幸は、海幸に仕事取り替えようと申し出て、喜んで海へ行く。
ところが、獲物はかからず釣り針もなくしてしまった。
海幸は怒り、山幸が自分の剣で釣り針を作って差し出しても受け取らない。
山幸が浜辺で泣き暮れていると、潮の流れを司る神が現れ、山幸を小舟に乗せて海の神・綿津見(わたつみ)の神の宮殿へと導いた。
海底の宮殿で山幸はもてなされ、綿津見の姫を嫁に迎えた。
幸せな暮らしが三年経ち、山幸は釣り針の話を打ち明ける。
すると綿津見の神は釣り針を見つけ出し、海幸に返すよう言い渡すと共に、
いざという時に使うよう、潮満玉と潮乾玉を授けた。
山幸はサメに乗って国へ戻り、釣り針を海幸に返す。
水を操る綿津見の神は海幸の田に水を与えず、海幸は困窮し、山幸を討とうとする。
その度に山幸は潮満玉で水を呼んでは海幸を溺れさせ、 潮乾玉で水を引かせては命を救った。 
海幸はついに降参し、山幸の宮殿に仕える者となった。

 
赤羽末吉 絵、舟崎克彦 文
あかね書房

海底の宮殿の絵について、折込付録に説明があります。山幸が海底の宮殿から帰るのに乗ったサメの泳ぐ速さとして「一日で浜まで泳ぎ着くことができる」というくだりがあることから、南方の海宮として描かれたそうです。海底の描写はパッと鮮やかで華やかです。
この第六巻「うみさち やまさち」が「日本の神話」の最終章です。日本の絵本に貢献された赤羽氏の絵による、膨大な資料と現地取材による考察をもとに作られた6冊は、古事記に記された日本の文化を知り、伝えるのに役立ちます。

赤羽末吉 絵、舟崎克彦 文
あかね書房

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