どうやって手に入れることができるのかを尋ね、
作り方を教わり、たくさんの協力を得て、
ついに憧れのずぼんとそっくりの作品が完成します。
エドアルド・ペチシカ 文、ズデネック・ミレル 絵、うちだ りさこ 訳
福音館書店
チェコの人気キャラクター、クルテク(この絵本にこの名は出てきません)が、さまざまな生き物たちと出会い、彼らの得意な技術の恩恵を受けながら、欲しいものを手に入れるために一生懸命に行動します。そうして出来上がったクルテクにぴったりのずぼんは、特別な思い出でいっぱいの自慢のずぼんです。
私は子どもの頃にも読みました。複雑な色彩を巧みに調和させた美しい色使いと、柔軟で張りのある躍動感みなぎる生き物たちの姿は、くっきりと印象に残りました。また、クルテクに協力する生き物たちのずぼん制作風景は幻想的でありながら違和感がなく、本当に生き物たちの力を借りてずぼんが作れるんじゃないかと、度々まじめに想像したものでした。そして、現実に亜麻からリネンが作られ、こけももなどを用いて草木染ができることを知る度に、この「もぐらとずぼん」の制作過程と同じであることを思い出しました。
ファンタジーに織り込まれたリアルの絶妙さ、もぐらのクルテクの好奇心と熱心さ、協力してくれる優しい仲間への感謝の気持ち。読む人たちにいつまでも伝わることでしょう。
もの作りを一から描く絵本は、「ペレのあたらしいふく」もどうぞ!
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