子どもたちが、一緒に連れてってといいました。
「いいとも」とガンピーさんは言いました。
ウサギも猫も犬も、もっとたくさんの動物たちも、
乗りたいと言ってやってきました。
ガンピーさんは、みんなを乗せて出かけます。
ジョン・バーニンガム 作、光吉夏弥 訳
ほるぷ出版
ケイト・グリーナウェイ賞受賞
ガンピーさんのような舟に乗ると、心地よく揺れながら、水の音、川辺の草木のそよぐ音に耳を澄まし、前にも後ろにも続く川を眺め、浮世離れしたひと時を過ごせます。それから、もしかして川に落っこちたりして・・・という不安もちょっぴりよぎります。そのような、ふんわりして穏やかな、でも少しドキドキの気持ちで読める絵本です。舟がとんでもない状態になっても淡々と話が進んでいくのが楽しく、ガンピーさんの温かく広い心、慌てず落ち着いた行動に和まされます。ガンピーさんは、舟をこいで川を渡ることを愛しているのでしょう。読む人にもその楽しみを分けてくれます。 柔らかく優しい絵が、幸せな気分を盛り上げてくれます。ジョン・バーニンガム作の絵本の中でもいちおしの素敵な絵本です。