2025/07/16

「ちいさなあなたへ」

アリスン・マギー 作、 ピーター・H・レイノルズ 絵
なかがわ ちひろ 訳
主婦の友社  2008


この絵本では、子どもが母親を頼る姿、母親が成長を見守る様子、子の将来を案ずる母親の気持ちなどが、端的に素直に表現されています。共感して胸がいっぱいになる母親は多いと思います。まるで母親の子への気持ちを代弁するような絵本です。しかし、絵本が代弁する必要はないのでは?と思うので、「母親のため」の絵本なのだと私は思いました。
「母親のため」の絵本なのだと思う理由は他にもあります。
例えば、忙しくて子が見えなくなる時、思わず怒鳴ったり手を上げそうになって葛藤する時、この絵本の存在は、子を大切に思う気持ちを取り戻してと戒めてくれます。
また、この絵本の最後には母親への課題があります。大人になった娘や息子がいつか母親を思い出す時、どんな母親だったと思い出すのか、そして母親としてはどのように思い出して欲しいのか。母親としての生き方を考えさせられる場面があるのです。 
何と言うか、ノウハウは書かれていないけれども導いてくれる「育児書」のような、子どもと心から向き合う力をくれる絵本です。原題は Someday で、「いつか」を思い描いて、今を大切に生きるのを促されるような作品です。

原書:
"Someday"
by Alison McGhee (Author), by Peter H. Reynolds (Illustrator), 
Atheneum Books for Young Readers, 2007.

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