2026/01/20

「よこむいて にこっ」

「よこむいて にこっ」
高畠 純 作
絵本館 1998
何やら機嫌が良くなさそうなお顔がこちらを向いています。
そして横を向くと、「にこっ」と笑顔に!

人や生きものに限らず、前から見た姿と横から見た姿とでは印象が違うことがあります。そんな面白さがこの絵本でも感じられます。 あっという間に読み通せ、読み手も聞き手もあっという間に笑顔に! 赤ちゃんから楽しめる、シンプルな絵本です。

2026/01/18

「ぼく にげちゃうよ」

子ウサギは家を出てどこかへ行ってみたくなりました。
「ぼく、逃げちゃうよ」
すると、母さんウサギは言いました。
「おまえが逃げたら、母さんは追いかけますよ」

「ぼく にげちゃうよ」
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作、クレメント・ハード 絵
いわたみみ 訳
ほる出版 1976
全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協議会選定図書

子ウサギと母さんウサギの幸せをおすそ分けしてもらえる物語です。
子ウサギが川の魚になって泳いで逃げようと、高い山の岩になろうとも、鳥になって逃げようとも、母さんウサギは、あの手この手で「見つけ出しますよ」と言うのです。子ウサギと母さんウサギのやり取りがほほえましく、追いかけっこをしている絵が包容力と想像力に満ちていて楽しいです。結局子ウサギは母さんにはかなわず、話のオチは、母さんウサギの懐にすとんと落ちる温かい物語になっています。
この絵本の挿絵が、「おやすみなさいおつきさま」「ぼくのせかいをひとまわり」の絵本の中で額縁に飾られています。これら3冊の絵本は大きさも同じで、揃えたくなります。

原書:
"The Runaway Bunny"
by Margaret Wise Brown (Author), Clement Hurd (Illustrator),
Harper & Row, 1942

2026/01/16

「ぼくのせかいをひとまわり」

ぼくの絵本、ママの絵本。
ママの椅子、ぼくの椅子。
パパのぼく、ママのぼく、
ぼくのおもちゃのくまちゃん。

「ぼくのせかいをひとまわり」
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作、クレメント・ハード 絵
おがわ ひとみ 訳
評論社 


「おやすみなさいおつきさま」の子ウサギの家族が登場し、生活感を見せてくれます。カラフルなページとモノトーンのページが交互に出くる構成は「おやすみなさいおつきさま」と同様です。
原題は "My World" です。子うさぎ「ぼく」の世界は手の届く範囲にあり、確かに「ぼく」のために存在するものであふれています。パパやママのものと比べると「ぼく」のものは小さく、本格的ではなく、使いこなせないものもあるけれど、間違いなく「ぼく」の大切なもの。それを紹介して見せてくれる子ウサギは、満たされた気分でいるように思えます。
次回は「ぼく にげちゃうよ」について書きます。その挿絵は、「おやすみなさいおつきさま」と「ぼくのせかいをひとまわり」に出てくる額の絵になっています。

原書:
"My World"
by Margaret Wise Brown (Author), Clement Hurd (Illustrator),
Harper, 1949.
楽天 / アマゾン

2026/01/14

「おやすみなさいおつきさま」

夜7時。
子ウサギはベッドに入ったものの、まだ寝付けません。
そして、部屋の中の一つ一つのものに「おやすみ」を言います。
心穏やかになる優しい物語。
「おやすみなさいおつきさま」
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作、クレメント・ハード 絵
瀬田貞二 訳
評論社 1979

読み聞かせをしていると癒されます。子ウサギが「おやすみ」の声がけを重ねていく簡素な物語の中に、一日の心をときほぐし、穏やかでくつろいだ気分になる秘訣が盛り込まれている気がします。愛するものに「おやすみなさい」を伝える安堵感が形になった作品だと思います。 毎日愛情を持って「おやすみなさい」を伝えることができる間柄は、互いの心の宝なのですね。
時間の移ろい、月の動き、明かりの変化を読み込む楽しみもあります。原作の雰囲気のままの日本語訳も傑作だと思います。
次は、姉妹編「ぼくのせかいをひとまわり」について書きます。

原書: "Goodnight Moon" 
by Margaret Wise Brown (Author), Clement Hurd (Illustrator), 
Harper & Brothers, 1947.

2026/01/08

「ねむいねむいおはなし」

「ねむいねむいおはなし」
ユリ・シュルヴィッツ 作、さくまゆみこ 訳
あすなろ書房 2006




おやすみまえの読み聞かせにとっておきの絵本。
「おもちゃのチャチャチャ」のように、真夜中におもちゃが人知れず遊んでいるに違いない ――― 子どもの頃そう考えた人もいると思います。「ねむいねむいおはなし」は、そんな密かな楽しみで胸をいっぱいにさせながらも、すうっと眠りの世界へと誘ってくれるお話です。「ねむいねむい」という言葉が何度も出てきて、呪文にかかったようにその気になってしまいます。
日本語の響きがとってもいいです!

すべてひらがなとカタカナ表記です。

原書: 
"So Sleepy Story" 
by Uri Shulevitz, 2006.

2026/01/06

「オズのまほうつかい」

フランク・ボーム 原作、木坂涼 文、朝倉めぐみ 絵
フレーベル館 2016
全国学校図書館協議会選定図書

前回は原作に忠実な「オズの魔法使い」をご紹介しましたが、今回はもっとシンプルに絵本で読む「オズのまほうつかい」です。
朝倉めぐみさんのイラストで出版されたと知った時は嬉しかったです。ファッショナブルな絵本で感激しました。この物語の象徴のひとつ、エメラルドの彩りが素敵です。

2026/01/04

「オズの魔法使い」

カンザス州に暮らすドロシーは、
犬のトトと一緒に竜巻に巻き込まれ、
家ごと「オズ」の国に飛ばされてしまう。
ドロシーはカンザスに戻るために。
エメラルドの都にいるオズの魔法使いに会いに行く。

 「オズの魔法使い」
ライマン・フランク・ボーム 作、W. W.デンスロウ 画
渡辺茂男 訳
福音館書店 1990

原題 "The Wonderful Wizard of Oz"  1900年に出版され、アメリカでは国民的作品として読み継がれています。初版のデンスロウの挿絵を復刻し、原作に忠実な日本語訳で読める「オズの魔法使い」と言えばこの本です。
アメリカ人は「オズの魔法使い」をよく知っており共通言語のように利用し、様々な登場人物や場面が比喩に用いられるのを見聞きします。例えば、ドロシーは黄色いレンガ道を進んで旅を始めますが、黄色いレンガ道を進め(Follow the Yellow Brick Road)、と言えば目標に向かって進めということを意味します。アメリカ文化の背景のひとつとして読んでおきたい物語です。
読み聞かせするとすれば何日もかかりますが、おもしろい内容で読みやすい文章なので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
次回はおすすめの「オズの魔法使い」の絵本をご紹介します。

また、ミュージカル映画版も名作ですので見ておきたいですね。サントラも良く知られています。Over the Rainbow はとくに有名ですし、先ほど書いた Follow the Yellow Brick Road という曲もあります。
"The Wizard of Oz"「オズの魔法使」1939年
出演:ジュディ・ガーランド 他
DVD 楽天 / アマゾン 


「オズの魔法使い」もっとシンプルに、絵本で読むならこちらがおすすめです。朝倉めぐみさんのイラストで出版されたと知った時は嬉しかったです。ファッショナブルな絵本で感激しました。
フランク・ボーム 原作、木坂涼 文、朝倉めぐみ 絵
フレーベル館 2016
全国学校図書館協議会選定図書

2026/01/02

「十二支のことわざえほん」

「十二支のことわざえほん」
高畠純 作
教育画劇 2006

ことわざって面白い!という気持ちになること間違いなしの絵本です。十二支にちなんだ22のことわざが紹介されています。22の内訳は、兎、竜、猪は1つずつ、犬は3つ、他は2つずつ。各ことわざには簡潔な説明が添えられおり、細かい解説がなくても、わかりやすくてユーモラスな絵を見れば一目瞭然です。何度も笑いがこぼれます。学びの要素がありながら難しいことがなく楽しめて、内容も厳選されているので1冊丸ごとを一気に読み通せる達成感があるのも魅力です。

幼児からでもだいたい理解できそうです。
特に小学生におすすめです。
漢字にはすべてふりがな付き。
説明文は、「一羽、二羽」以外はほとんどひらがなで書かれています。