2025/12/28

「雪の写真家 ベントレー」

1865年、アメリカ、バーモント州の豪雪地帯に生まれたウィルソン・ベントレー。彼は雪の結晶の美しさに魅せられ、10代の頃、雪の日には雪の結晶の観察やスケッチに没頭した。雪の結晶はすべてが異なる形をしているうえ、すぐに はかなく解けてしまう。これを何とか写真に残し、人々に結晶の美しさを伝えたい。こう願うベントレーは、ついに17歳の時に両親にカメラを買ってもらい、工夫や失敗を繰り返してようやく雪の結晶の美しい写真を取ることに成功した。しかし、当時はその写真に興味を持つ人はおらず、後にベントレーの雪の研究が認められて結晶の写真集が出版されるまでに何十年もの年月がかかった。そして、その写真集 "Snow Crystals" は世界中を魅了し続けている。 美しい自然を愛でるのが大好きだったベントレーの、とりわけ雪の結晶に情熱を注いだ生涯を描いた絵本。

「雪の写真家 ベントレー」
ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン 作、メアリー・アゼリアン 絵
千葉 茂樹 訳
BL出版 1999年
コールデコット賞受賞
アメリカ図書館協会優良児童図書

雪の季節になると読み聞かせたくなる、温かな版画で描かれた絵本です。ベントレーが雪をひたむきに愛する姿と、人々にも惜しみなく雪の結晶の美しさを披露する姿には、何度読んでも心が動かされ、幸せな気持ちになります。また、農業を営む両親がベントレーのために高価なカメラを大奮発して買ってくれる場面では、親としての見事な決断力があったことを知らされます。大きな愛情と深い理解があってこそ、ベントレーは偉業を成し遂げたのですね。地元のバーモント州では有名人で、彼の功績は地元の誇りとなっているそうです。
次回は ベントレーが撮影した雪の結晶の写真集 "Snow Crystals" をご紹介します。

簡単な漢字にはふりがなは付いていませんが、小学3、4年生から自分で読めると思います。


原書:
   
"Snowflake Bentley"
by Jacqueline Briggs Martin (Author), Mary Azarian (Illustrator), 
Houghton Mifflin, 1998.

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