2025/01/30

人が恐れおののき逃げるほどの醜い主人公シュレック。
シュレックが自信満々で堂々と我が道を行き幸せを掴むかっこよさを痛快に描いています。
醜い主人公に心惹かれるたぐいまれな作品。

原書: Shrek! (ペーパーバック版)
by William Steig

ウィリアム・スタイグ 作、小川 悦子 訳
セーラー出版
銀の絵筆賞受賞

愉快なアニメ映画「シュレック」を生み出した原作絵本「みにくいシュレック」。映画では飛躍し、おとぎ話のキャラクターを総動員した世界の中でシュレックを活躍させています。絵本に登場するロバ、ドラゴンが待ち構える城、醜いお姫様を映画にも取り込み、シュレックは奇想天外な冒険をします。映画のシュレックは次第に人に慕われていき、愛する相手を見つけたシュレックは、ついに誰もが認める強くて優しいヒーローになります。壮大な映画の中で、醜いながらもかっこよく闊歩するシュレックは魅力的です。
一方、原作の絵本のシュレックはとにかく醜さ満載の見たことのない主人公でびっくりです。ところが最後は、読んでいるこちらが照れてしまうほどの愛情表現で締めくくられます。この愛に満ちているからこそ、堂々たる強く優しいシュレックが完成します。 ・・・誰にでも欠点があるけれども、それを上回る魅力を愛してくれる人がいる。・・・そんな月並みな言葉を、奇抜なアイデアで表現し伝えているのかもしれません。ウィリアム・スタイグの愛情に満ちた作品が、私は大好きです。

2025/01/28

「ゆきのひ」

朝、ピーターが目を覚ますと外には雪が積もっていました。
ピーターは外に出ると、雪の上にいろんな足跡を付けて歩いたり、
木の枝の上の雪をつつき落としたり・・・・。思いつくままに雪遊びを楽しみます。
 
エズラ・ジャック・キーツ 作、木島始 訳
偕成社
コルデコット賞受賞
 
雪が降り積もると厄介ごとが増える大人にはおかまいなく、子どもは雪遊びが大好き! 私も子供時代の雪遊びを思い出します。まだ誰も踏んでいない雪を自分の足で踏みしめる感触ときしむ音。振り返って眺める自分の足跡。両手でキュッキュッと固めて作る雪玉。手のひらの上でとろけていく、美しい雪の結晶のはかなさ。しーんとしたかまくらの中で過ごすひと時。また、作った雪だるまは、翌日になるとまだ残っているかどうか気になったものです。ピーターの子ども心と同じです。雪の積もった時にだけできた遊びは、何だかロマンチックで楽しいことが多かったと気付きました。雪が降る国で育ってよかった。

「ゆきのひ」の中で、私が一番好きでかわいいと思うピーターはこれです。

雪の上に仰向けになったピーターが両手両足をパタパタ動かし、「てんしのかたち」を作っているところです。「てんしのかたち」はスノーエンジェルとも呼ばれています。機会があったら、ぜひ子どもたちにスノーエンジェルを作ってもらって下さい。 きっと楽しくかわいい作品ができますよ。ただ、雪の下に何があるかわからないので、雪の上にバタッと倒れるように寝転ぶのは、危険なのでしないでくださいね!!

2025/01/26

「トゥース・フェアリー」妖精さん、わたしの歯をどうするの?

女の子は、抜けたばかりの歯を小箱に入れて眠りにつきました。
すると近くに住む妖精が秘密の場所に出かけ、
何やら忙しく仕事を始めました。
 「トゥース・フェアリー」妖精さん、わたしの歯をどうするの?
ピーター・コリントン 作
BL出版
絶版になりました

子どもの歯が抜けると、日本では上の歯は屋根の上に、下の歯は縁の下に放り投げ、永久歯がまっすぐに生えるよう願いをかける慣わしがあります。私も子どもの頃にそうしました! ところが今はマンション住まいなので、子どもの歯が抜けた時にその歯をどうしようかと困りました。調べると、西洋では、抜けた歯を箱に入れて枕元に置いておくと眠っている間にトゥース・フェアリーという妖精が来て、歯と引き換えにコインを箱に入れていくという言い伝えがあると知りました。日本でも歯を抜けた乳歯を入れる可愛いケースが手に入るようです。
では妖精はどうやって歯とコインを交換しているのか。なぜ歯を持って行くのか。この疑問に答えてくれる絵本がピーター・コリントンの「トゥース・フェアリー」です。女の子の歯が抜け、歯を箱に入れて眠りについてから、朝目覚めてコインを見つけるまでの物語です。女の子が眠っている間に、妖精が慌しくも確かな仕事を始めます。ロマンチックな想像の世界を堪能しながら、妖精が歯を必要としている訳もわかります。漫画のようにコマ割りしてあり、文字はないのですが流れるように話がわかります。
ところで、日本のアニメがもとになった人気ハリウッド映画「トランフフォーマー」の中で、夜、トランスフォーマー(ジャズというキャラクター)が騒々しいので、枕元に抜けた歯を置いて眠っていた女の子が起き出し、トランスフォーマーを見て「歯が抜けると現れる妖精さん?」と話しかけるシーンがあります。西洋の文化を一つ知ることでそんな映画のひとコマもよくわかり、ちゃんと笑えますね。

原書: The Tooth Fairy by Peter Collington. Jonarhan Cape Ltd, 1995.

2025/01/24

「雪女」

ひどい吹雪の中、逃げ込んだ小屋の中で雪女を見た巳之吉。
雪女は巳之吉にこう言った。
「ここで見たことを誰にも言ってはいけない、言ったら殺してやる。」
その後、巳之吉は美しくて人柄のいい嫁をもらい、子宝にも恵まれて幸せに暮らした。
ある晩、巳之吉は、ずっと秘密にしていた雪女の話を嫁に打ち明けてしまう。

小泉八雲 作、平井呈一 訳、伊勢秀子 絵
偕成社

雪女の言いつけを破り、秘密を話してしまった巳之吉はどうなってしまうのか? 読み聞かせをすると、子どもたちはそわそわした反応をします。読み聞かせる声色によっては結構な怖さです。ゾクゾクと怖いだけではありません。深い愛情や、はかなく切ない思いの入り混じった物語です。挿絵は、凍りつくような冷たさと美しさが散りばめられていて心に染み入り、読む人を物語に引き込んでいくことでしょう。
この絵本は、日本に帰化した小泉八雲氏がラフカディオ・ハーンの名で英語で書いた作品を、訳者の平井氏が小学生でもわかる言葉で書いたものだそうです。
すべての漢字にはふりがなが振ってあります。

また、伊勢秀子氏のスケッチ画による絵本「ルリユールおじさん」も素敵です。「雪女」とは違うおもむきの画法です。伊勢氏の絵はいずれも物語をぐいぐいと引き立てて気持ちを盛り上げてくれる、読者の想像力を膨らませる絵だと思います。そういう絵本を子どもたちに丁寧に読んであげることは素晴らしいことだと思います。

2025/01/22

「よかったねネッドくん」

 
レミー・シャーリップ 作、木田宜子 訳
偕成社

ネッドくんに降りかかる幸運と不運が面白おかしく展開します。読んで楽しい、見て楽しい。原文の英文もページごとに書いてあり、原文の面白さも味わえます。英語の学習をされているお子さんにもいいですね。本国アメリカでも人気で、読み聞かせをすると子どもたちが喜ぶそうです。
 小学1、2年生の音読の学習にもぴったりです。小学校2年生の国語の教科書に紹介されていたこともあります(表紙だけ掲載)。

2025/01/18

昔話 "The Teeny-Tiny Woman" を読み比べ

昔話 "The Teeny-Tiny Woman" を読み比べてみました。 小さい小さい家に住む、小さい小さいおばあさんの話です。

 
ポール・ガルドン 絵、
晴海耕平 訳
童話館
絶版になりました

イギリスの昔話です。「ちいさい ちいさい」という形容詞が繰り返される、読んで聞いて楽しいリズミカルな文章です。しかし内容は怖いんです。
――ちいさいちいさいおばあさんは墓地で骨を拾って持ち帰り、戸棚にしまいます。ベッドに入り眠りかけた時、戸棚から声が聞こえてきました。――
果たして、おばあさんがとった行動とは!? 結果は、面白いんですよ。でもやはり、声色を怖くすると子どもはおびえるかも知れませんので加減してくださいね。
原作の "The Teeny-Tiny Woman: A Ghost Story" は英語学習をされているお子さんに楽しんでもらえそうです。teeny-tiny (ちいさいちいさい)が繰り返され、愉快です。
他に、人気の画家トミー・デ・パオラ の描いた「ティーニイタイニイ ちいちゃいおばちゃん」(ジル・ベネット 作 偕成社)も同じ話です。優しい絵がとてもかわいらしいです。

また、スウェーデンのエルサ・ベスコフも、昔話をもとに「ちいさな ちいさな おばあちゃん」を絵本にしています。上記のイギリスのものとは異なり、こちらはまったく怖い話ではありません。
 エルサ・ベスコフ 作、石井登志子 訳
偕成社
絶版になりました

あたたかい色使いで、ちいさなちいさなおばあちゃんの素朴な暮らしが語られています。ゆったりと静かな時間が感じられます。ところが、おしまいにおばあちゃんがその静寂をちょっと破るのです。スウェーデンの昔話なのでしょうか? 作者がアレンジしたものなのでしょうか? あとがきに経緯が書いてあるものの、どこの昔話なのかは明記されておりません。なお、あとがきによれば、これは1897年に出版されたベスコフのデビュー作で、ビアトリクス・ポターの「ピーターラビットのおはなし」が出版される4年前のことだそうです。

2025/01/16

「ロバのシルベスターとまほうの小石」

ロバの子供のシルベスターは、ある日魔法の小石を拾い、 かわいそうなことに岩になってしまいます。 素朴な家庭にこの不運が訪れ、 両親は愛する我が子の現れない日々に心身が磨り減り、 すっかり生きる気力をなくしてしまいます。
しかし、月日がたち、 両親がこれからは二人で前向きに生きていこうとしたその時、 シルベスターは、 元の姿に戻りたいという切実な願いをついに叶えることができるのです。

ウィリアム・スタイグ 作、瀬田 貞二 訳
評論社
コールデコット賞受賞作

不運に立ち向かい、挫折し、乗り越えようとする両親の姿。心からの思いを全身で伝えようとするシルベスターの気持ち。そして何にも代えられない家族の絆の大切さに心打たれます。愛に満ちた暮らしこそが何よりの幸せであり、いかに豊かなことかを再確認する物語です。とてもとてもおすすめです。

2025/01/14

「人魚ひめ」アンデルセンの絵本

海の底の底に、人魚の王様の城があった。
 6人の人魚のお姫様の中で一番美しい末のお姫様は、 
海の上に行くことを許される15歳になった時、 
船の上にいる人間の王子様に一目で恋をする。
人魚姫は、王子様と同じ人間になるために固い決心する。
H・C・アンデルセン 原作、リスベート・ツヴェルガー 絵、角野 栄子 訳
小学館

人魚姫は王子様と同じ人間になろうと決意しますが、人間になるためには、人魚の家族に別れを告げ、声を失い、さらには美しい尾が2本の脚になるのと引き換えに、脚には始終激しい痛みを伴うのでした。そこまでして人間になる望みを叶えた人魚姫。しかし、人魚姫は王子様のそばにいられるにもかかわらず、結ばれない運命なのでした。王子様の幸せを思いつつ、人魚姫は海の水の泡となってしまうのです。
ハッピーエンドにならないやりきれなさが切ないです。私は幼い時に人魚姫の話を読んでもらった時から、切ない人魚姫が心に引っかかって離れず、何より人魚姫が水の泡になってしまうという結末は強烈な印象を残し、恐れと悲しみの入り混じった想像で膨らみました。ところが私が幼い時に読んだ絵本とは違い、この絵本「人魚ひめ」のツヴェルガー氏の絵は、神秘と優しさ切なさを上品に描いています。「水の泡」の絵は無く、「水の泡」と化した後の次元の人魚姫を思わせる、温かさにつつまれた絵になっているのが救われます。また、私がこの絵本の挿絵で最も好きなのは、人魚姫が金色のうろこ模様がきらめくドレスを着ている場面です。この姿の美しいことといったら! 
大人になって改めて「人魚ひめ」を読み、爽快なハッピーエンドの物語では感じることのできない、浮き沈みが錯綜する物語に心を動かされました。絵のもたらす感動も大いに味わえます。 
すべての漢字にはふりがなが振ってあります。

2025/01/12

「パンやのくまさん」 働くことってどんなこと? 

パン屋の店主である くまさんの一日の様子を、 起床してパンを焼いて販売し、売り上げを確認し、就寝するまで、 順を追って描いています。

   
フィービ・ウォージントン、セルビ・ウォージントン 作
福音館書店


小さくてシンプルですぐに読み終える作品ですが、見て楽しく読んで楽しく、メッセージの力に秀でた絵本だと思います。
くまさんの一日を通して、働くこととはどういうことで、お金はどこから得られるのか、小さい子どもにもわかりやすく伝わります。また、いつも同じ調子の毎日を繰り返しているくまさんの生活は、すっきりきちんとしていることが伺えます。そして、礼儀正しくて子どもに飴玉のサービスをする文面と、淡くて柔らかい描写の絵からは、くまさんの丁寧でやさしい性格も伺えます。くまさんのパン屋さんに行ってみたいな!そう思わせるくまさんです。それも、くまさんの仕事において大切であることに間違いありません。――何もこんなに理屈を並べなくても、読み聞かせるだけで、子どもにはくまさんの仕事ぶりが真っ直ぐ十分に伝わるのがわかると思います。
幼稚園くらいからのお子さんへの読み聞かせと、小学1、2年生くらいのお子さんが音読するのにいいと思います。

2025/01/10

「おとなしいめんどり」

小さな家に、猫、犬、ねずみ、 そして赤いめんどりが住んでいました。
猫、犬、ねずみはいつも居眠りばかり。
めんどりだけがいつも家事をしています。 
めんどりが「誰か~してくれる?」と尋ねても、皆は嫌がり居眠りばかり。 
しかしある出来事の後、 猫、犬、ねずみも、お手伝いをするようになったのです。 
めんどりの策略とは?
    
ポール・ガルドン 作、谷川俊太郎 訳
童話館

 軽快なポール・ガルドンの絵と谷川俊太郎さんのリズミカルな言葉がぴったりで、何度読んでも楽しい絵本です。働き者のめんどりは、同居するぐうたらな猫、犬、ねずみをあっと言わせ、彼らを働かせることに成功します。この絵本を読んでおけば、子どもに手伝って欲しい時にめんどりの言い回しをまねて声掛けすると、子どもも笑顔でお手伝いしてくれるかも知れませんね。
小学1、2年生の音読の学習にもぴったりです。

2025/01/08

「えんどう豆の上にねむったお姫さま」

お姫様らしいお姫様をおきさきに迎えたい王子様は、 本物のお姫様を求めて世界中を探して回りましたが見つけられません。 しかし、ある嵐の夜、 本物のお姫様だと名乗る、風雨に打たれた哀れなお姫様が訪れました。 本物のお姫様であるかどうかを見極めるため、 贅沢な寝具の下にえんどう豆を置き、寝心地を尋ねてみると・・・。

https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/08f4d58d.fd1e32ec.08f4d58e.6f86fee1/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F170964%2F&link_type=hybrid_url&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJoeWJyaWRfdXJsIiwic2l6ZSI6IjI0MHgyNDAiLCJuYW0iOjEsIm5hbXAiOiJyaWdodCIsImNvbSI6MSwiY29tcCI6ImRvd24iLCJwcmljZSI6MCwiYm9yIjoxLCJjb2wiOjEsImJidG4iOjEsInByb2QiOjAsImFtcCI6ZmFsc2V9
アンデルセン 作、ドロテー・ドゥンツェ 絵
ウィルヘルム・きくえ 訳
太平社

 チャーミングでファンタジックな香りのする、乙女心をつかむ魅力の絵本です。32.5×25㎝の大型絵本。縦長の大型絵本であることには訳があります。その大きな紙面で、淡い色と深みのある色が心地良く調和した描写にうっとりします。特に、お姫様のために用意したベッドにえんどう豆が置かれ、その上に幾重にも布団が重ねられた淡い色彩の層には心を奪われそうです。この高く重ねられた布団の描写のための大型本!という感じです。また、登場人物のすべてが実に個性的で人間味豊かな表情をしているのも見ものです。
アンデルセン童話の一つで有名ですが、日本ではあまり知られていない作品かと思います。私はとても好きな作品で一押しです。英語の題名は "The Princess and the Pea" です。
低学年で習う漢字や「姫」という漢字にはふりがなが振ってありません。
難しい漢字にはふりがな付き。

2025/01/06

「三びきのやぎのがらがらどん」ノルウェーの民話

昔、3匹のヤギがいました。
名前はどれも「がらがらどん」といいました。
山の草を食べて太ろうと山へ登っていくと、
谷にかかった橋の下に、大きなトロルが住んでいました。 

マーシャ・ブラウン 絵、瀬田貞二 訳
福音館書店



ノルウェーの民話に忠実に基づいて作られた絵本だそうです。色使いは落ち着いた水色と緑、優しい黄色、茶色と黒だけです。迫力ある線で描かれていて、一番大きいヤギの雄姿は見ごたえがあります。また、恐ろしいトロルをやっつける場面はまるで手品かサーカスのようでユーモラスです。読み聞かせをすると自然に声色が変わっていき、だんだん盛り上がっていくのもこの絵本の魅力です。そんな風に読まずにはいられない1冊です。
英語版の題名は "The Three Billy Goats Gruff" 。billy goat とは雄ヤギのことで、gruff とは「しわがれ声の、ぶっきらぼうな」という意味だそうです。The Billy Goat Gruff のリズミカルでどっしりした響きを受け継いで「がらがらどん」としたのは名訳ですね!!
英語版はこちら↓
P.C. Asbjornsen (著), J. E. Moe (著), Marcia Brown (絵)

2025/01/04

「ゆき」

マザーグース・ブックスという書店がある通りが物語の舞台。
灰色の空から雪が次々に舞い降りて、あっという間にあたり一面雪化粧。 
雪を喜ぶ男の子に誘われて、
マザーグースのキャラクターたちも、 舞い降りる雪と一緒に踊ります。
 すると・・・。

ユリ・シュルヴィッツ 作、さくま ゆみこ 訳 
あすなろ書房
コルデコット賞


雪が降った日に読みたくなる絵本です。降り積もる雪が、面白おかしく、それからファンタジックに描かれています。雪を喜ぶ男の子の高まる気持ちが、最後に爽やかに締めてくれます。遊び心いっぱいのイラストがとってもチャーミングです。1998年に発表された作品で、コルデコット賞など複数の受賞歴がある、楽しく美しい絵本です。