2025/08/28

「父は空 母は大地 ―インディアンからの手紙―」

1854年、 アメリカ政府は、先住民の土地を買い取り居留地を与えると申し出た。ある先住民族を率いるシアトル首長は居留地への移動を承諾し、その部族の言葉で大統領あてに思いを伝えた。その言葉は英訳されて人から人へと変化しながら伝えられ、 心打つ美しい言葉となって今に残され、Chief Seattle's Speech として知られている。

「父は空 母は大地 ―インディアンからの手紙―」
寮 美千子 編・訳、篠崎 正喜 画
ロクリン社 2016

先住民にとって地上のものは聖なるものであり、大地と人々、動植物や川の水も一体で、命は巡り、つながっている。大地が豊かな理由はそこにある。
その土地を、白い人たちはどうやって買おうというのだろう。
白い人たちが作り出す文化が大地に残すものは、大地を潤しはしない。
けれどもどんな人間も大地の一部である。
だから白い人よ、この大切にしてきた大地を、いつまでも愛して欲しい。

シアトル首長はおおよそこのように、大地や自然を大切にしてきた理由、白人への不可解な思いを伝え、政府に願いを託したということです。
絵本の文章は流れるように心に染み入り、力強く深みのある美しい言葉で綴られていますので、ぜひ読んでみて欲しいです。
壮大な景色の中に、光や風、恵みや息吹を感じる絵は、インディアンの暮らしを思い描かせてくれます。楽天やアマゾンで中身を一部見られます。

漢字にはふりがな付きです。
小学生にぴったりの絵本です。


以前はパロル舎が絵本と対訳版を出版していましたが、現在は絵本のみロクリン社により復刊され、すべての絵も新しく描き下ろされています。

以前のものはこちらです。
左:対訳版、右:旧版 絵本

対訳版「父は空 母は大地 ―Chief Seattle's Speech 1854―」
(パロル舎 2002)
対訳版は左ページが日本語、右ページが英語。日本語文章は絵本と同じです。厚手の紙質で、詩集のような本に仕上がっており、抽象的なイラストもしゃれています。

旧版 絵本「父は空母は大地: インディアンからの手紙」
(パロル舎 1995)







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