子どもの頃から働かされ、仕事にミスがあれば容赦なく怒鳴られ、たたかれる奴隷。
世の中に自由というものがあることを知りながら、自由に生きることのできない奴隷。
これらはすべて、ヘンリー・ブラウンという奴隷のことだ。
自由を求めて命がけの逃亡を計ったヘンリー・ブラウンの半生を描いた、
本当にあった話。
「ヘンリー・ブラウンの誕生日」
エレン・レヴァイン 作、カディール・ネルソン 絵
千葉 茂樹 訳
すずき出版 2008
コールデコット賞受賞
ヘンリー・ブラウンは、1815年にアメリカのヴァージニア州ルイーザで奴隷の子どもとして生まれたそうです。奴隷であるがゆえ、10代の半ばに両親と引き離され、その後さらに、結婚して築いた家族とも引き離されます。そしてついにヘンリーは、奴隷の身の上から解放されるための逃亡を決心します。逃亡は想像以上に過酷なものでした。ヘンリーの命がけの逃亡とは?結果はいかに?
この絵本の中に登場する奴隷たちは皆、抑圧されたうつむき加減の視線を見せています。その陰のある硬い表情の中にも、希望の見えない表情、大切な人を見守る表情、苦悩に満ちた表情といった様々な表情を見せ、その思いが読み手・聞き手の意識に入り込んできます。魂のこもった絵と言葉に、心が打たれることでしょう。コールデコット賞オナー賞を受賞した作品です。

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