中国の山道を、三人のお坊さんが旅していた。
ふもとの村に降りると、村人たちは戦争により心を閉ざし、
隣人にも心を開かず、よそ者を歓迎する様子はなかった。
「この村の人々は幸せをしらぬ。」
「村人に石からスープを作ることを教えてやらねばならぬ。」
お坊さんたちはそう言い、
木の枝で火を起こし、小鍋に水を入れて火にかけた。
「石のスープを作るには、丸いすべすべの石が三ついる。」
様子を見ていた村の女の子がちょうどよい石を持ってきた。
一番賢いお坊さんが言った。
「この石がいいスープになる。」
「しあわせの石のスープ」
ジョン・J・ミュース 作、三木卓 訳
フレーベル館 2004
絶版になりました
石のスープ? どんなスープ? 疑問を持った私は興味深々でこの絵本を開きました。
勇気ある女の子がお坊さん達のもとに来たのに続き、村人達も石のスープに興味を持ち始めます。お坊さん達は村人に幸せをもたらすためにスープを作り始めました。村人達は、幸せをどうやってみつけるか。そして、幸せとは何なのか。あと味のいいお話です。
上の絵は、村の女の子が石を持って来る場面です。石好きの私はこの3つの石の絵が好きで、額に入れて飾りたいくらいです。アメリカ生まれの作者は、日本で石の彫刻を学んだそうです。ただの丸い石をこんなに美しく描いた作者も、石が大好きなのですね!
「石のスープ」の絵本は他にいくつもあります。訳者のあとがきによると、「石のスープ」の話はヨーロッパの民話ですが、東洋思想に関心の深い作者は舞台を中国に移し、お坊さんが「石のスープ」の教えを広める形に再話したとのことです。積み上げられた三つの石の形は、お座りになっているお釈迦様の形なのだそうです。
漢字にはすべてふりがなが振ってあります。
小学生のお話会にぴったりの絵本だと思います。
原書:
"Stone Soup"
by Jon J. Muth, Scholastic, 2003.

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