お母さんは くろまんぼ、
お父さんは くろじゃんぼ といいました。
「ちびくろさんぼのおはなし」
ヘレン・バナーマン 作・絵、灘本 昌久 訳
径書房 1999
絶版になりました
日本で「ちびくろさんぼ」として知られている本の元をたどると、1899年にイギリスで初版が発行された小さな本が始まりだそうです。それから100周年になる1999年に、日本では初版に基づいたこの絵本「ちびくろさんぼのおはなし」が発行されました。黄色いカバーを外すと表紙は初版と同じデザインで、タイトルも原題である "The Story of Little Black Sambo" と書いてあり、中身は日本語ですが挿絵は作者が描いたもののままだそうです。「ちびくろさんぼ」という名前は、他に替えようのない、ぴったりで愛嬌ある名前ですね。
この「ちびくろさんぼのおはなし」は手のひらサイズの小さな小さな絵本なので、本棚の中で迷子にならないよう気を付けなくてはならないほどです。この小さな絵本に収められている物語には、愛情と知恵、勇気と喜びが満ちていてたっぷりと楽しめ、物語の存在感の大きさと面白さには驚かされます。そして何と言っても、作者自身が描いた絵が魅力です。けっして上手くはないかもしれませんが、物語の面白さを絵が更に補い、「ちびくろさんぼ」の世界を創り出した時の伝えたい気持ちが詰まっているように思えます。特にトラたちが走り続けて溶けてバターになり、そのバターを使って焼いたホットケーキの絵がたまりません。「黄色と茶色に焼けたホットケーキはまるで小さなトラのようでした。」というホットケーキの絵に感心させられるのは、絵のウマヘタさ加減がなせる業(失礼)かもしれません。ぜひ、作者の挿絵をご覧あれ。
原書:
The Story of Little Black Sambo
by Helen Bannerman,
Published by Grant Richards, 1899.


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