2025/11/08

「はなたれこぞうさま」

花売りの男は、売れ残った花をいつもこう言って川へ流していた。
「おとひめさまのところへ行って、かわいがってもらえよ。」
いっこうに花が売れなかったある日、 川を眺めて困っていると、
おとひめさまの使いが現れた。 
使いの女は、いつもきれいな花をくれるお礼に、と、
願いを何でも叶えてくれる子どもを花売りの男に差し出した。
その子どもはいつも鼻をたらしているけれども、
好物のエビなますを食べさせて願い事を言うと、
プーンと鼻をかんで、たちまち願いを叶えてくれるのだった。

「はなたれこぞうさま」
川崎 大治 作、太田 大八 絵
童話館出版 2019

花売りの男は、「はなたれこぞうさま」にエビなますをお供えしてはお米や着物を与えてもらい、あばら家も大きなお屋敷にしてもらい、贅沢三昧して怠けて楽をします。我を忘れ、大事なことも忘れてしまった男の結末は? 
昔話の雰囲気たっぷりの文章で、楽しくテンポよく、読みやすいです。 
グリム童話「漁師とおかみさん」に似た展開で、読み比べるのも面白いと思います。
「はなたれこぞうさま」はいくつかの絵本が出ていますが、太田大八さんの絵はまるで古美術の日本画のようです。 

すべての漢字にはふりがなが振ってあります。

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