2025/11/12

「ルリユールおじさん」

ルリユールとは製本職人のこと。
フランスの伝統芸術、ルリユールの魅力が輝く物語。
植物への高い関心を示す少女・ソフィーとルリユールおじさんとの出会いや、
ルリユールおじさんの仕事への情熱と師である父との記憶が、
透明感にあふれる清らかな絵で描かれています。

 
「ルリユールおじさん」
伊勢 英子 作
理論社 2006
講談社 2011
講談社出版文化賞絵本賞受賞

なんという素敵な絵本なんでしょう! 大人に一押しするとしたらこの絵本です。
パリの風景を描いたスケッチ画が美しいことに魅了されるだけではなく、ルリユールの仕事ぶりにも魅了されます。物語も巧みに美しく構成されていて、言葉には余韻を感じさせます。そして、ルリユールおじさんとソフィーがかつて共に見上げたアカシアの木のもとで語られるラストシーンの言葉には、大きく心を揺さぶられました。二人がそれぞれ胸に秘めた志が、確かに根を張り枝葉を広げているのだという清々しい感動を覚えました。太く高くそびえ立つアカシアの木のように。本を閉じた後も、物語の美しいハーモニーが心に響き渡ります。

あまりふりがなは振ってありませんので、自分で読むなら小学校高学年からです。
大人にも、小学生への読み聞かせにもおすすめです。

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