2026/02/28

「あの路」

独りぼっちの少年と、 ある路に住み着いた三本足の犬。
「ぼく」と「三本足」は心を通わせ、
いつも寄り添っていた。
「あの路」
山本けんぞう 文、いせひでこ 絵
平凡社 2009

かつても今も孤独な「ぼく」を強く支えているものは何か。これをそっと打ち明けてくれる感動の物語です。きっと「ぼく」が一番辛かった時に、どこか似ている境遇の「三本足」と出会ったのだろうと思います。また、大切な人の死を幼くも知っている「ぼく」の心の強さや弱さ、死への恐れと喪失感も行間から伝わってきました。山本けんぞうさんの詩的な言葉と伊勢英子さんの絵は、溶け合っているように切り離せず、言葉からも絵からも物語が発せられて一つになっています。「ぼく」の心の中を覗き見るように引き込まれ、胸がいっぱいになりました。

あまり漢字にはふりがなが付いていませんが、小・中学校の教科書に載せて欲しいくらい、子どもたちにもおすすめです。

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